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“指環”を略す [クラシックな日々]

ワーグナーの「ニーベルングの指環」。
全曲を上演するのに、4夜・15時間かかる大作。
故に「短くしたダイジェスト版」で楽しみたいと言うのは
やはり永遠のテーマでありましょう。
しかしこれがまたなかなかに難しい。
 
先日、指揮者のロリン・マゼールが自ら編曲しなおした
“指環”のダイジェスト版なんていうのをFMで聴きましたが
ジークフリートがブリュンヒルデを目覚めさせる場面が抜けていて
ちょっと寂しい思いをしたりしてね。
 
2人が「結ばれた」事実があればそれでいいだろう、と言うのも
確かにごもっともな話である訳ですけれども
どう聴いても“愛の”というより
激しい言い争いをしているとしか思えない
「ジークフリート」の幕切れの2重唱は、結構おもしろい場面なので。
 
このたびエド・デ・ワールトがN響の定演で披露したのは
ヘンク・デ・フリーハー編曲によるダイジェスト版から、更に
「ラインの黄金」の部分を端折り
ラストに「ブリュンヒルデの自己犠牲」をくっつけた特別版。
 
しかも「ワルキューレ」から始まるとはいっても、第1・2幕はカットされ
いきなり有名な「ワルキューレの騎行」からスタートという強引さ(笑)。
ちょっと拍子抜け。
 
やはり“指環”を略すのは難しい。
けれど、全曲演奏に付き合うのが
体力的にも精神的にも辛くなってきている昨今
どうにかして、場面場面の雰囲気そのままに楽しめる
お手軽なダイジェスト版って出来ないものかなー、と
秘かに期待してしまう私なのでした。


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